アーウイン Erwin5 スロープグライダーのメカ積み
オーストリアPCM社のスロープグライダー「アーウインErwin5」のメカ積みを依頼されました。
フルカーボンの機体です。
まず主翼のサーボ組み込みから始めます。
カバベニヤとシナベニヤを貼り合わせて、サーボベッドを作ります。
ロッドの出し口の中心に、ヒンジラインと直角に、線を引きます。
翼の中にロッドが通る穴を開けます。
線を裏面に写してサーボの位置を決めます。
カーボンシャーレの形状保持材(ロハセル?を網目状のグラスで包んだような、棒状の物)が、スパー方向に数本入っており、サーボベッドの邪魔をするので、削り取ります。
印にあわせて、サーボベッドをエポキシで接着します。
翼とフラップの隙間のプラスチックパーツが、フラップを大きく下げて、戻した時に引っかかるので、エッジをサンディングします。
マスキングに印をして、動翼ホーンを取り付けるスロットを、ミニリューターで開けます。
改めてマスキングをし直して、ホーンをエポキシで取り付けます。
テトラの金属ピンのロッドアジャスターを使います。
サーボに延長コードを接続し、コネクターに収縮チューブを被せて抜け止めにします。
リード線の出口を開けて、針金に繋いで線を引っ張り出します。
フラップサーボKST-DS125MG
エルロンサーボKST-DS125MG
エルロンとフラップをMPXコネクターで纏めます。
左右翼のコネクターを色分けで印を付けます。
プラスチックのロッドエンドは、このグライダーの性格からして強度不足ではないか、とのアドバイスがあり、金属クレビスに変更しました。
ロッドの出口穴が小さいため、サンダーで削りました。
サンダーで削ってギリギリです。
ロッドも1.1mmから1.7mmに変更です。
サーボ取り付けネジは緩まないように、ゴム系接着剤を付けて留めます。
胴体は前部と後部の2ピース構造。
前後を差し込んで見ると、上から見て僅かにくの字に曲がってます。
牡部と牝部を削ったり、瞬着を盛り付けたりして、ほぼ真っ直ぐにします。
ベニア製のメカプレート先端にバルサブロックを接着し、ノーズ部分内側形状に合うように、何度も当たりを取りながら合わせます。
ベニアパーツにM2爪付きナットを埋め込み、メカプレート後部裏側にM2皿ビスで取り付けます。
ベニアパーツを胴体内底部の形状に合わせて削り、メカプレートとの間にロウ紙を挟んで、胴体底部にエポキシで接着します。
この時、メカプレートがノーズにピッタリハマるようにします。
メカプレートを外すと、爪付きナットが付いたベニアパーツが残ります。
2mm厚のアルミアングルを加工し、サーボベッドを作ります。
Vテール用のサーボを、サーボベッドにタッピングビスで取り付けます。
カバベニアに電源スイッチと充電コネクターを取り付けます。
メカプレートにバッテリー、サーボ、受信機を搭載します。説明では、前からバッテリー、受信機、サーボの順になってますが、2.4Gのラジオなので、オーナーに引渡し後、ラジオのバインドをする必要が有りますので、受信機を後ろにします。
Vテールコントロール用の3Øアルミパイプに、金属クレビス付きの1.7Øロッドを、脱脂をし、エポキシを付けて差し込みます。
Vテールリンケージロッドを、サーボに接続した状態。
しかし、サーボを受信機より前に設置したため、メカプレート搭載後にリンケージを接続出来ません。別の方法を考える必要があります。
Vテールリンケージ用の真鍮パイプをずに合わせて曲げ、ボールリンクのボール部を差込み、エポキシで固定します。
説明写真では真鍮パイプを変形させて凹みを作り、動翼に接着するようですが、より確実に、2mmピアノ線をL字に曲げて、真鍮パイプの中に入るように加工します。
形はこのようになります。この時点ではピアノ線とパイプはまだ接着しません。
ピアノ線を脱脂をし、パイプに挿入した状態で、ボールリンクの位置を決めながら、ピアノ線だけに瞬着をたらしこんで動翼内に固定します。
このようにピアノ線を動翼内に固定します。
パイプの外と内側にエポキシを付けてピアノ線とパイプを一緒に動翼に固定します。
キット付属のバルサ製ロッドガイドを2.2mmシナベニアに作り替えます。
後部胴体、コントロールロッド中間付近に、竹ひごに挿してエポキシで固定します。
Vテールリンケージ部の蓋部分の受けを、グラスクロスを貼り付けます。
胴体のテール部を切り取った蓋はカットの刃の分隙間が空きます。
胴体前後をエポキシで接着します。
Vテールコントロールロッドを、作り替えます。
知り合いの町工場に頼んで、4Øアルミ棒でジョイナーを作ります。既にアルミコントロールロッドに挿入してある、テトラ製のクレビス付きジョイナーセットの1.7mmロッド挿入する穴を両側に開けます。片方はM2用のタッピングを切ります。
先にアルミパイプに差し込んでおいた、クレビスを付けてあった1.7mmロッドをカットし、サンダーで削って窪みを付けます。
脱脂をし、1.7mmロッドをジョイナーに嵌めてジョイナーの上から挟んで中のロッドの窪みに食い込ませます。
ジョイナーの前側にはM2タップをキってあるので、1.7mmロッドのクレビスが付いていた部分をねじ込みます。実際は1.7mmロッドのネジ部の反対側をZベンドし、サーボホーンに接続しておきます。
Vテールのボールリンク用真鍮パーツに1.7mmロッドをハンダ付けします。
1.7mmロッド部を脱脂をしエポキシを付け、アルミパイプに挿入し、上から数箇所かしめます。
メカプレートを固定後、テールリンケージのジョイナーを接続します。
アンテナは胴体の主翼下両サイドの、手投げ時に邪魔にならない位置に穴を開けて出します。穴のエッジは鋭いので、アンテナの被覆がすれないように面取りしておきます。
Vテールのリンケージはボールリンク。
機体を仮組みしバランスを見たところ、かなりテールヘビー。ウエイト替わりに重いバッテリー(LiFe2100mAh)を搭載ですが、まだ足りなく、バルサブロックをカットし、1mm鉛板を両面テープで1枚ずつ重ねて貼ります。
メカプレート固定用のベニアパーツの接着にエポキシを使用しましたが、製作記を見た方からCFRPにエポキシは繰り返しの衝撃に剥がれる恐れがあるとの、指摘を受けました。
ので、内側からビス止めしていたのを、胴体の下から皿ビスを入れて、メカプレートの上からナットで留めます。
ウイングサーボカバーもカーボンです。ホーンが接触しないように、仮にマスキングテー王を貼り、印を付けてクリアーテープで貼ります
サーボ用コードを使用して、充電コードを作ります。バランス充電のコネクターは、廃棄した2セルリポから取り外したものです。
メカ積み完了。
主翼の取り付けは、主翼の付け根の前後角の部分をテープで固定します。
翼長 2050mm
全長 1120mm
胴体 458g
主翼右 376g
主翼左 372g
Vテール尾翼 71g